丁寧に渋を切る、つぶす、漉す。
丁寧に丁寧に・・・これの繰り返し。
こし餡作りの最初の工程は「渋切」。
小豆に含まれるタンニンとかサポニンなどの
渋み成分やアクを取り除くことです。
小豆を水から茹で沸騰した後ゆで汁を捨てる、この作業を繰り返します。
実は小豆を炊くときにこの渋を切るという作業が非常に重要なのです。
渋はとらなければ雑味になりますが、とりすぎると小豆の持つ風味が
なくなってしまします。
渋と言うのは、小豆を収穫してすぐの場合は、
成分が少なく、日がたつにつれて渋も多くなっていきます。
したがって小豆の収穫時期、状態によって渋切りの回数を調整し、
餡にした時に淡白でありながら小豆の風味が濃くなるようにします。
渋切の次に煮た小豆をつぶしていきます。
私たちのこし餡の特徴であるなめらかな
口どけはこの工程で良し悪しが決まります。
小豆の中身、果肉の部分を「呉(ご)」と言います。
この「呉」の粒子を壊さないように
小豆をつぶしていきます。
そして漉して水にさらし、絞るという工程を経て
こし餡の元となる生餡が出来上がります。
小豆の風味が残るように渋を切り
粒子を壊さぬよう丁寧に小豆をつぶし、
丁寧に小豆の皮を取り除き、
丁寧に呉を漉す。
そうして風味豊かで驚くほど細かな粒子の生餡になるのです。